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「頭寒足熱」と言う言葉がありますが、これは生理的にも正しいことで、大切な司令塔である頭脳部は発汗作用によって、温度が上昇しすぎることをコントロールしております。
深い睡眠によっても頭の温度は下がり、脳の機能を正常に保っているので睡眠の大切さが云われるわけです。
毛髪もラジエーターの役目をして汗の蒸発を助けているのですが、この汗が処理し切れなくなった状態で蒸れを感じ、眠りを悪くします。
この汗の処理を受け持っているのが枕のもう一つの大きな役目で、日本では昔からそばがら枕が使われてきたのも、経験則としてこの機能を知っていたからなのです。
cotton wool
汗を素早く吸収し、発散させることで気化熱を奪い涼しさが保てるわけで、特に湿度の高い日が多い日本の気候では、この機能が枕に求められる素材としての特性でなければなりません。
素 材
特 徴
プラスチック
ウレタン
基本的に吸湿性がない
へたりが少ない
天然素材
へたり易い
手入れが必要
吸湿性、発散性が良い
頭に自然になじむ
当て心地が良い
プラスチックやウレタンに比べ、天然素材は、へたり易いこと、手入れが必要なことで面倒がる方がおりますが、吸湿性、発散性が良いこと、頭に自然になじむ心地よい当て心地など、優れている面が多いので欠点を良く理解して良い眠りを求めてください。
特にそばがらは植物ですので、汗を水分としてセルロースの中に取り込んでしまいますので、こまめに天日に当てて乾燥した状態を保つこと、砕けて粉になりますので一年を目安に粉を篩ってやるなどのお手入れを心掛けてください。
素 材
特 徴
ノップス
(枕用に開発された素材)
枕用に開発された加工羊毛で小さな球状をしております。
つぶれにくいため枕のヘタリが少なく、洗濯性に優れております。
羊毛は天然繊維の中でもっとも吸湿性に優れておりますが、全く反対の性質である排湿性も最も優れておりますので、汗をかいた適性を持っております。
空気含有量が多いので断熱性が高く、熱くなりにくく蒸れません。
ダウン
スモールフェザー
(動物繊維)
水分を組織内に取り込むとき液化熱を出します。
この熱が気化を促進し気化熱をとっていくという一見矛盾する作用を持っており、枕としての涼しさを保ちます
含水飽和点が通常の繊維は60%台ですが、羊毛は80%台と繊維の中で最も高く、また液化と気化の効率も最も良いという優れた性質を持っております。
羊毛の湿気を処理する機能が、敷き布団として適していることは認められてきておりますが、枕素材としてはまだまだ認められているとはいえません。
(文中のデータはKMコンサル調べ)
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